犬もテレビを理解できる?テレビの見え方や注意点を解説☆

こんにちは。

ポメラニアンのモコ(@mocochi1011)です。

愛犬と暮らしている中で、愛犬がテレビを見ている光景を目にしたことはありませんか?

テレビの好き・嫌いは犬種の習性が影響していると考えられています。

今回は、犬はテレビを認識できているのか、犬のテレビの見え方や聞こえ方、注意点等について解説します。

犬はテレビを認識できる?

結論から申し上げると、家の中で生活している犬はテレビの内容までは理解できていませんが、人間と同様に実態がなくとも写真や映像から犬を見分けることができるようです。

犬は画面の中の動物の姿や吠える音も現実の世界と同様にしっかり認識できるようです。

その為、テレビを見た犬の反応は、現実に見える世界と変わらず、テレビ画面の中に犬や猫がうつるとジーッと凝視したり、気になる動きをするものを目で追いかけたり、画面上の犬に対して吠えたりする犬も少なくありません。

また、内容の認識はできないかもしれませんが、テレビから流れてくる音を聞き取ることもできる為、テレビ内で流れるサイレンなどに合わせて遠吠えする犬や、テレビから聞こえる犬の吠え声に反応する犬も多くみられます。

テレビを見るのが好きな犬であれば、留守番させる時、退屈しのぎにテレビをつけておくのも良いでしょう。

一方でテレビが嫌いな犬や、興奮しすぎる犬の場合にはストレスになったり、吠えることでで近所トラブルになったりする恐れがあるため、必要ない時にはテレビを消しておくことをお勧めします。

犬のテレビの見え方・聞こえ方とは?

犬がテレビを見る際に、映像なのか、音なのか、人間には分からないような別な感覚があるのか、一体何に対して反応しているのでしょうか。

実は、犬の見え方によっては様々な説があります。

犬は視覚でテレビの内容を判別できる⁉︎

2013年、犬の視覚に関するある研究内容が発表されました。

その内容とは、「犬は人間を含んだ様々な動物が写った写真の中から、視覚のみで犬の写真を特定できる」というものでした。

発表された研究内容には、他にも「犬は人間と同じように映像を感知できる」、「画面の中の動物の姿や吠える音も、現実の世界と同様に認識できる」という記載もあります。

犬と人間では見え方が異なる

ただし、犬と人間とではテレビの映像の見え方には違いがあります。

皆さんの中にも、「犬と人間では色の見え方が違う」という話を知っている方は多いと思います。

色の見え方が違うと言われるのは、犬の網膜には色を認識する力がほとんどない為です。

また、犬は優れた動体視力を持っており、「動くもの」を目で追う能力や遠方のものを捉える能力は、人間よりも上です。

その為、昔の毎秒表示できるコマ数の少ない旧型のテレビの場合には、チカチカした映像に見えコマ送りのようにしか見えないと言われています。

犬は視覚よりも聴覚を重視している

犬の目は、人間の目よりも素早く映像を感知する為テレビがチカチカ見えると前述しましたが、テレビを見る犬の中にはCMやテレビ番組のテーマ曲など、特定の音楽に対して反応を見せる子や、テレビから聞こえる救急車などのサイレンに反応して遠吠えをする子、映像の中の犬の吠える声に反応する子などもみられます。

それは、私達人間が視覚を大きな頼りにしてテレビを見ているのとは違い、犬はテレビから流れる音などに反応して音のするテレビを見ていることが多いからだと言えます。

犬の視界はどのように見えてる?

犬と人間の視界で違うのは、勿論テレビの見え方だけの話ではありません。

犬にとって世界が人間と違いどう見えているのか、犬の視界がどのようなものか、どのような見え方をしているのかを知れば、愛犬のことをもっと理解できるはずです。

犬の視力はどの程度?

犬の視力は平均すると0.2~0.3程度しかなく、焦点を合わせる能力も弱い為、視界は基本的にぼやけて見えています。

これは目の位置が関係している言われています。

人間は両目が正面を向いているのに対し、犬は外側40°辺りを向いている為、焦点が合わせにくいのです。

平均視力が0.2~0.3程度だと日常生活を送りにくいのではと思ってしまいがちですが、犬には視力を補える優れた能力が多々備わっています。

例えば、優れた嗅覚や聴覚の器官を使い、距離感の計測や物体の認識ができるので、生活する上で視力の弱さはそこまで影響を及ぼさないのです。

犬の目は「正視」が多い

人間の目の見え方には「近視」や「遠視」、「乱視」などの種類がありますが、犬の場合はほとんどの場合「正視」であるという研究結果があります。

目が物にピントを合わせて鮮明に見ようとする働きを「調節」と言いますが、「正視」とは、その調節をしない状態で遠くを見た場合でも網膜にピントが合う屈折状態のことを言い、「近視」でも「遠視」でもありません。

ちなみに、「近視」は網膜の前にピントが合うこと、「遠視」は網膜の後ろにピントが合うことを言い、いずれの場合のことも「屈折異常」と呼ばれます。

人間の場合、大多数は「屈折異常」で「正視」の人は少ないそうです。

犬はほとんどが「正視」と先述しましたが、犬種による特徴も見受けられ、ある研究によるとジャーマンシェパード、ロットワイラーの大半には「近視」傾向、グレーハウンドには「遠視」傾向があったということも分かっています。

犬は広い視野と優れた動体視力を持つ

人間が見渡せる視野は180度ですが、犬の視野は250~270度といわれ、人よりも広範囲を見渡すことが可能です。

そして、先述の通り優れた動体視力を持っている為、静止した物体より動きのある物体を捉える能力が高いのです。

牧羊犬は1500m先にいる人間の合図を認識できるとも言われています。

視力は0.3未満であっても視覚以外の器官や能力を使うことで物体を認識できるので、人間が感じる視力0.3の世界とは見え方が違うようです。

犬の色の認識能力はどのようなもの?

人間と犬は目の構造が似てはいますが、網膜の構造には違いがあります。

前述の通り、犬の網膜には色を認識する力がほとんどないのです。 

犬が認識できるのは「青色」と「黄色」、「青色と黄色の中間の色」のみだそうです。

この色別認識力については、カリフォルニア大学が行った視覚実験にて以下の様な結果が出ています。

人間に見える色  → 犬の見え方
        → 暗いグレー
黄色オレンジ→ 黄色っぽい色
      → 青っぽい色

このように、色の見え方は人間と犬ではまるで違います。

例えば人間にとって色彩鮮やかな花畑も、犬にとっては全体的にくすんだ物にしか見えないのです。

中でも犬は赤と緑の識別が苦手です。

草原や芝生などで遊ぶ際の玩具には、赤を避け、濃い青や黄色の玩具を選ぶと色別しやすくなります。

犬にテレビを見せる際の注意点

昔のブラウン管のテレビと違い、今のテレビは犬の力でも簡単に倒せてしまうほど薄いものです。

愛犬が興奮するような映像が流れた時に、テレビに向かって走って突進してしまったり、画面をガリガリと掘ってしまったりすると、テレビ自体が破損する恐れだけでなく、それによって愛犬がケガを負う可能性もあります。

テレビは「愛犬の届かない場所に設置」し「固定する」などの対策を講じておくと安心です。

テレビに興味を示す犬と示さない犬がいるのはどうして?

犬はテレビの画面の中で動くものに反応しますが、全ての犬がテレビに興味を示すわけではありません。

犬がテレビに興味を示すかどうかの1つには、犬それぞれの性格によるものもあります。

人間もテレビ好きな性格の人もいれば、テレビに興味がない性格の人もいますよね。

犬も人間のそれと同じと考えられます。

性格の他に個体差はあれど犬種もテレビへの興味に影響するという説もあります。

例えば、ハウンド・グループ(狩猟犬)のセント(嗅覚)ハウンド種(ダックス・フンドやビーグル、バセットハウンドなど)は、目に映るものよりも匂いに敏感に反応する為、匂いのしないテレビの映像にはあまり興味を示さない傾向にあります。

一方でハーディング・グループ(牧羊犬・牧畜犬)に属する犬種(シェットランド・シープドッグ、ボーダー・コリー、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークなど)は、匂いよりも動くものに興奮しやすい為、テレビの中で動くものにも興味を示しやすいようです。

ちなみに、最初はテレビに興味を示していても、近づいても匂いがしなかったり、動くものが画面から消えてしまったりすることを何度か経験していくうちに、動くものはテレビから出てこないと理解し、テレビに興味を失う犬もいます。

犬がテレビを見るきっかけとしては「動くものに反応した」「気になる音がした」など様々ですが、飼い主さんがきっかけということもあります。

飼い主さんがテレビを見て楽しそうだと、犬もテレビが気になることもあります。

また、犬がたまたまテレビを見ただけだとしても、飼い主さんがその姿を見て「可愛い!」とはしゃぐと、犬は褒められていると勘違いし「テレビを見るような仕草や行動」を繰り返すようになることもあります。

犬が見るために作られた番組があるって本当?

犬のテレビの見え方は人間とは少し違っているのは前述の通りですが、海外には「DOGTV」という犬のために作られたテレビ番組があります。

犬が見やすい色彩に加工され、お留守番中につけっぱなしにすることで、犬がリラックスできる構成や反対に刺激を得られるような音と映像が流れるというプログラムになっているようです。

愛犬の留守番にも役立つテレビ

愛犬がテレビを見ることが好きなようであれば、留守番をさせる時などにテレビをつけたままにしてあげると、退屈しのぎになるのでお勧めです。

なお、音量については抑えぎみにしておいて大丈夫です。

犬の聴覚は人よりも4倍遠くの音まで感知できる上に、多方向からの音を聞き取る能力も優れているため、「テレビの音が小さいと聞こえ辛いかな?」と心配する必要はありません。

まとめ

私たち人間とは違う見え方をしてはいますが、犬もテレビの映像を認識していると考えられています。

テレビに夢中になっている犬を見ると、「内容が分かっているのかな?」と思いますが、実際にはテレビの画面の中で動くものを目で追っているだけのようです。

犬の性格や犬種によってテレビに興味を示す犬がいる一方で、特に興味を示さない犬もいますが、テレビに興味を示す犬の中には、いわゆる「テレビっ子」になる犬もいます。

愛犬がテレビを見るのが好きなようであれば有効に利用し、一方で運動不足にならないよう、しっかりお散歩へ連れて行ったり、一緒に遊んだりしてあげましょう。