うちの子にも必要?ペットのマイクロチップ義務化における費用や手続き、メリット・デメリットについて解説☆

こんにちは。

ポメラニアンのモコ(@mocochi1011)です。

みなさんニュースで2022年6月より動物愛護保護法のもとで犬猫のマイクロチップ装着が義務化するという内容を聞いたことはありませんか?

厳密には装着が義務化するのは生体販売を行うペットショップやブリーダーさんに限定され、既に飼育している方は努力義務となりますが、マイクロチップを愛犬の身体に入れるのはなんだか怖いなと感じている方も多いのではないでしょうか?

今回はそもそもマイクロチップを入れることにどんなメリットやデメリットがあるのか、飼い主さんの方でどのような手続きをする必要があるのかなどを解説します。

マイクロチップとは?

今回装着が義務化されたマイクロチップですが、そもそもマイクロチップとはどのようなものなのでしょうか。

環境省のHPによるとマイクロチップは直径1.2mm程度で長さ8mm程度の円筒形で外側に生体適合ガラスやポリマーを使用した電子標識器具とされています。

マイクロチップ内には世界で唯一の15桁の識別番号が記録されており、この識別番号を専用リーダーで読み取ることで指定登録機関に登録された飼い主さん情報と照合し、身元を明らかにすることができます。

マイクロチップは30年程度の耐久年数があり、バッテリーも不要で専用リーダーの電波に対して反応し、識別番号を送り返すことが可能なため、一度装着すれば基本的に一生交換する必要が無く、脱落したり消失したりすることはほとんどなく、データが書きかえられることもないため、かなり確実な証明となります。

これまで故障や外部からの衝撃による破損の報告はないそうです。

なお、マイクロチップはGPSのように電波を発信するものではない為、リアルタイムな位置情報などは分かりません。

また、医療情報等も含まれてはいません。

犬や猫の種類や健康状態にもよりますが、一般的に犬は生後2週間、猫は生後4週間ごろからマイクロチップを埋め込むことができると言われています。

マイクロチップの専用リーダーは動物病院や保健所、保護センターなどに置かれており、迷子の犬や猫が保護された場合はまずマイクロチップの有無が確認され、飼い主さんへ連絡がいくという流れになります。

マイクロチップは世界的に広く普及しており、マイクロチップ装着を義務付けている国も多くあります。

「犬と猫のマイクロチップ情報登録」制度の概要

2022年(令和4年)6月以降にペットショップ等から購入した犬や猫には、一部の例外を除いてマイクロチップが装着されています。

飼い主さんが新しくマイクロチップが装着されている犬や猫を飼い始めた場合や、既に飼っている愛犬や愛猫にマイクロチップを新たに装着した場合には、30日以内に飼い主さん情報を登録しなければなりません。

マイクロチップの情報は一般的に「犬と猫のマイクロチップ情報登録」というHPで登録します。

ただし、最初の登録は基本的にブリーダーさんやペットショップ等が行ないます。

その為、所有者の情報をブリーダーさんやペットショップなどから飼い主さん自身の情報に変更する「変更登録」が必要になります。

先のHPで情報を登録することで、飼い主さんの情報が初めてペットと紐付けられます。

ちなみに、今回義務化されるのはペットショップなどで販売される犬や猫で、知人や動物保護団体などから犬や猫を譲り受けた場合は、マイクロチップの装着は必須の義務ではなく「努力義務」となっています。

努力義務とは言え、迷子になってしまった時や災害時にはぐれてしまった際に飼い主さんの元へ返還できる可能性を高まるため、できるだけ装着を検討した方が良いでしょう。

マイクロチップに登録される情報は下記の通りです。

  • 飼い主さんの氏名及び住所
  • 電話番号
  • 犬や猫の所在地
  • マイクロチップ識別番号
  • その他環境省令で定める事項

マイクロチップの装着は動物病院などで、獣医師さんが専用の注入器を使って皮下に埋め込みます。

マイクロチップの装着が完了すると動物病院から「マイクロチップ装着証明書」がもらえます。

また、海外から日本へ犬や猫を連れてくる際には「マイクロチップ埋め込み証明書」の提出が必要になります。

日本から海外へ連れていく際にも国によってはマイクロチップの装着が必要になります。

マイクロチップ装着のメリット

2022年6月以前にペットを飼ったの飼い主さんにとっては、マイクロチップ装着は努力義務であり、装着させていなくても罰則などはありません。

ですが、ペットにマイクロチップを装着するメリットもあるのでご紹介します。

例えば、犬や猫が迷子になってしまった時や、地震や水害などの災害、盗難や事故などによって、飼い主さんと離ればなれになってしまった時には、マイクロチップが装着してあればマイクロチップに記録された番号をデータベースに照会することで、飼い主さんがすぐにわかるというメリットがあります。

マイクロチップ装着の義務化は、もともと阪神淡路大震災の時に多くの迷子の犬や猫が発生してしまったことをきっかけに導入が検討されました。

その後、東日本大震災でも多くの犬や猫が行方不明になってしまいました

この時、鑑札を付け身元がはっきりしていた犬はほぼ100%飼い主さんの元に戻ることができたものの、身元の確認手段が首輪のみであった犬や猫は飼い主さんの身元がはっきりしないため0.5%程度しか飼い主さんの元に戻って来れなかったという自治体の調査結果があります。

さらに環境省の調査によると、2019年度に負傷動物として保護された犬や猫のうち、飼い主さんがきちんと引き取ることができたのは犬が約35%、猫は約3.5%にとどまってしまったそうです。

たとえ首輪や迷子札に飼い主さんの情報を記載していたとしても、破損してしまったり、外れてしまったりすることもあります。

しかしマイクロチップは一度体内に埋め込めば、基本的に一生無くなることはありません。

ペットの体内にチップを装着させることに抵抗を覚える方も多いと思いますが、マイクロチップの装着にはメリットもあることも改めて確認し、今回の法改正を機会にご自身の愛犬や愛猫にマイクロチップを装着させるかどうか、いま一度検討してみましょう。

  • 災害時や迷子など飼い主さんと離ればなれになってしまっても、マイクロチップの識別番号を読み取りデータベースに登録された情報と照合することで、飼い主さんの元に戻ってくる可能性が高くなる
  • 首輪や迷子札に飼い主さんの情報を記載するなどの対策の場合は、それ自体が破損してしまったり、外れてしまったりすることがあるが、マイクロチップは一度体内に埋め込めば基本的に一生無くなることがない

マイクロチップ装着のデメリット

マイクロチップ装着のデメリットはあまり大きいものはありませんが、装着時に多少の痛みを感じることMRI撮影時に画像が多少歪む可能性があることなどが挙げられます。

MRI撮影時の歪みのデメリットについてはそもそもMRI撮影は頻繁にするものではなく、大きな病気や手術をする時にしか撮影せず、撮影自体ができないわけでもありません。

またマイクロチップが装着された状態でMRI撮影してもペットの体には影響しないと言われているので安心してください。

マイクロチップの電磁波による健康被害を懸念される方もいらっしゃると思いますが、日本獣医師会によると体内における影響は認められないと言われています。

さらに、マイクロチップは安全性の高い生体適合ガラスやポリマーで覆われている為、副作用やショック症状等の報告もありません。

マイクロチップを装着する際の痛みが心配な方は部分麻酔を使用するなどの方法もありますので、獣医さんと相談してみるのも良いでしょう。

  • マイクロチップ装着時に多少痛みを感じる
  • MRI撮影時に画像が多少歪む可能性がある

既に飼っている犬や保護犬も手続きしなきゃいけないの?

今回ペットショップやブリーダーさんなどの犬や猫を販売する事業者には2022年6月以降に取得した犬や猫へのマイクロチップの装着が義務付けられました。

つまり、今回義務化されたのは基本的にペットショップなどで販売される犬や猫です。

既に犬や猫を飼っていらっしゃるの飼い主さんには、愛犬や愛猫にマイクロチップを装着するよう努めることが規定されました。

これは「努力義務」であり、強制力のある義務ではありません。

また、知人や動物保護団体などから犬や猫を譲り受けた場合にもマイクロチップの装着は必須ではなく「努力義務」とされています。

ただし、先述の通り愛犬や愛猫が迷子になった時に飼い主さんの元へ返還できる可能性を高める為、できるだけマイクロチップの装着を検討しましょう。

飼い主さんの必要な手続き・費用

マイクロチップが装着された犬や猫を新しく飼い始めた場合

一般の飼い主さんが、2022年6月以降にマイクロチップ装着済みの犬や猫を飼った時には、原則として30日以内所有者情報の「変更登録」の手続をしなければなりません。

変更登録の際には、犬や猫と一緒に渡された「登録証明書」を準備する必要があります。

変更登録には「登録証明書」に記載された「暗証記号」が必要となり、変更登録を行なうと新しい暗証記号が付与された「登録証明書」をダウンロードできます。

登録手数料はオンラインの場合300円郵送の場合1,000円となります。

【オンライン登録HP】:「犬と猫のマイクロチップ情報登録

既に飼っている犬や猫に新しくマイクロチップを装着した場合

2022年6月以前に飼われた犬や猫に新たにマイクロチップを装着した場合には、30日以内マイクロチップの情報や所有者情報等の登録が必要です。

登録の際には動物病院から発行された「マイクロチップ装着証明書」を準備する必要があります。

登録手数料はオンラインの場合300円郵送の場合1,000円となります。

【オンライン登録HP】:「犬と猫のマイクロチップ情報登録

登録した住所や電話番号などに変更があった場合・犬や猫が死亡した場合

飼い主さんの氏名や住所、電話番号など、登録内容を変更する場合指定登録機関に届出をする必要があります。

変更登録の際には「登録証明書」を準備する必要があります。

変更登録には手数料はかかりません。

【オンライン変更登録HP】:「犬と猫のマイクロチップ情報登録

登録する内容

  • マイクロチップの識別番号
  • 所有者の情報(氏名や住所、電話番号、メールアドレスなど)
  • 動物情報(名前や品種、毛色、生年月日、性別、狂犬病予防法登録番号(犬の場合)など)

2022年6月1日以前に民間のマイクロチップ登録制度に登録している場合

2022年6月以前にもマイクロチップの装着・登録が民間で行われており、中でも一番メジャーなのが日本獣医師会が任意で行っていた登録システムの「AIPO」というものです。

こちらは今回義務化された環境省のデータベースに登録されるものとは別物となります。

2022年6月以前に飼い始めた犬や猫については、今回の環境省のデータベースへの登録の義務はありません。

ただし、既にAIPO等の民間の登録システムに登録されているデータは今回新たに設定された環境省のデータベースへ移行させることができます。

2022年6月30日までの移行手続は無料とのことです。

  • Fam
  • ジャパンケネルクラブ
  • マイクロチップ東海
  • 日本マイクロチップ普及協会
  • 日本獣医師会(AIPO)

【移行登録受付サイト】:https://www.aipo.jp/transfer

移行登録については日本獣医師会にお問合せください。

【日本獣医師会】TEL:03-3475-1695 E-mail:info@mc.env.go.jp

マイクロチップの装着方法とは?危なくないの?

マイクロチップの装着は獣医療行為のため、必ず獣医師さん等が専用のインジェクター(チップ注入器)を使って愛犬や愛猫の体内に注入します。

埋め込む場所は動物の種類によって異なりますが、犬や猫の場合では背側頚部(首の後ろ)皮下が一般的です。

正常な状態であれば、マイクロチップが体内で移動することはほとんどありません。

マイクロチップは外側に生体適合ガラスやポリマーなど副作用がない材質が使われており、獣医師さんが正しく施術すれば、短時間の施術で済み、動物の体に負担をかけることはありません。

痛みは普通の注射と同じくらいと言われており、鎮静剤や麻酔薬などは通常は必要ありません。

犬や猫の種類や健康状態にもよりますが、一般的に犬は生後2週間、猫は生後4週間ごろからマイクロチップを埋め込むことができると言われています。

まとめ

大切なペットがうっかり迷子になってしまったり、災害で離ればなれになってしまう危険性は全くないとは言えません。

そんな時に飼い主さんの元にできるだけ戻ってくる確率を上げるのがマイクロチップです。

マイクロチップの装着に不安を感じる方もいらっしゃると思いますが、マイクロチップの装着による健康被害はないと獣医師会は発表しています。

マイクロチップの装着を迷われる場合には是非獣医さんに相談してみましょう!