自宅でできる愛犬の健康チェックポイントとは?

こんにちは。ポメラニアンのモコ(@mocochi1011)です。

愛する愛犬にはいつも健康でいてほしいものですよね。

そのためには飼い主さんからの毎日のケアはもちろん、病気の早期発見や予防が重要になります。

スキンシップをしながら愛犬の身体をチェックしたり、散歩や日常生活の様子を観察してみましょう。

この記事を参考に、是非定期的なチェックをして健康管理に役立ててください。

※ここで紹介している症状は一例であって、病気を確定するものではありません。犬の健康状態は個体によってそれぞれ違うので、少しでも不安を感じた場合にはすぐに獣医さんの診察を受けるようにしましょう。

愛犬のSOSサインを見逃さないように

犬は体のどこかに不調や痛みを抱えていても、それを言葉にして訴えることはできません。

しかし病気のサインは愛犬の体や行動などに必ず現れるものです。

「いつもと愛犬の様子が違う」と飼い主さんがいち早く気付いてあげることが病気の早期発見につながります。

こまめに自宅でケアを行い、愛犬の健康維持を守りましょう。

自宅で確認できる愛犬の健康チェックポイント

診断技術や治療成績の向上、飼主さんのワクチン等に対する予防意識の向上、飼育環境の改善などにより、現在のペットの寿命は段々と伸びてきている傾向にあります。

いつまでも健康で愛犬と共に幸せに暮らすため、日頃から愛犬の健康な状態を知っておき変化を素早く見つけることが大切です。

以下では、自宅で確認できる病気のサインが出やすいポイントについてまとめました。

ペットの健康管理方法、ボディチェックをご紹介します。

チェックポイント:目

健康な犬の目の状態とは

  • 瞳(角膜)に適度に潤いがある
  • 目やにが少ない
  • 目をパッチリ開けている

という状態です。

  • 目ヤニが多い
  • 涙が出ている
  • 目を痒がる
  • 白目が赤い
  • 目をしょぼしょぼさせている

《白目が赤い・涙が出ている等の症状が出ている場合》

目ヤニは、起きた後に少し出る程度であれば正常です。

健康な状態でもほこりやまつげなどが目に入って一時的に涙が出て目ヤニが多く出る場合には、その時は犬用目薬で洗い流し、丁寧に涙をふいて様子をみてみましょう。

しかし、目が赤く下痢をしていたり、ひどく痛がったりするような場合は、「結膜炎」、「角膜炎」、「流涙症」などになっている可能性があるので、獣医さんに診てもらいましょう。

  • 左右の目の大きさが違う
  • 左右の目の色が違う(オッドアイを除く)
  • 瞳が濁っている
  • 目をひどく痛がる
  • 目が見えていない

《目が濁っている・左右非対称の場合》

左右の目を比べ、目や瞳の大きさが違って見えたり、濁っていたりする状態は目になんらかの異常があると考えられます。

頻繁にモノにぶつかったり、瞳が白く濁ったりしているなら「白内障」、目が飛び出した感じだと「緑内障」など、視力にかかわる病気の可能性があります。

動くものを全く目が追いかけない、目が普段より出ている感じがするなどの症状が見られるようであれば、できるだけ獣医さんの診察を受けるようにしましょう。

特に「緑内障」は急性症状が出ると一晩で失明する危険性のある病気です。

一刻も早く動物病院の診察を受けましょう。

「白内障」は高齢犬に多いですが、若齢犬でも発生するので、怪しいと感じたら獣医さんに相談してみましょう。

目に異常が現れるのは、目の病気だけでなく全身的な病気が原因のこともあります。

目の輝きや動き、目の周りなどをしっかりチェックしてあげましょう。

チェックポイント:鼻

健康な犬の鼻の状態とは

  • ツヤツヤと光って、適度に湿り気がある
  • さわるとヒンヤリする

という状態です。

  • 鼻水が出ている
  • 咳をする
  • くしゃみをする
  • 熱がある
  • 鼻が変形している

《くしゃみ・鼻水・咳をする場合》

くしゃみや咳なども単発性のものでその後元気に過ごし食欲もあるのならそのまま様子を観察しても大丈夫でしょう。

しかしくしゃみを繰り返したり、頻繁に咳をしたり、たくさん鼻水が出ていたりする場合は、感染性の疾患や呼吸器系の疾患、アレルギーや腫瘍、歯の疾患など、さまざまな病気が考えられるので、くしゃみや鼻水に加えて食欲が減退したり水を飲まなかったり、鼻が変形するなどの場合は、獣医さんに診てもらいましょう。

また心臓病などでも咳が出ることもあります。

人間の風邪に似た症状ですが、犬ジステンパーや犬伝染性気管、気管支炎の場合には放置していると死に至る危険性もあります。

どちらの場合も混合ワクチンの接種で予防できるので年1回の接種をするようにしましょう。

チェックポイント:耳

健康な犬の耳とは

  • 汚れがなくきれい
  • 臭いもほとんどない
  • 耳の内側は薄いピンク色で光沢があり、つるつるしている

という状態です。

  • ニオイがある
  • 耳が汚れている
  • 耳をかゆがる
  • 傷などがある

《耳にニオイや汚れがある場合》

犬が耳をかゆがる様子はないが、少しニオイがする、少し耳アカがある程度ならば、洗浄液を使って犬の耳をキレイにして観察しましょう。

洗浄することで菌の繁殖が押さえられ、外耳炎の予防になります。

しかし耳から出血していたり、黒や黄色など、耳アカが多く出ていたりする場合は、すでに外耳炎、もしくは他の耳の病気になっている可能性があるので、獣医さんの診察を受けるようにしましょう。

外耳炎はダニなどの寄生虫や真菌などのカビや細菌、アレルギー、掻き傷などによっても発生します。

外耳炎を放っておくと中耳炎や内耳炎にもなり、鼓膜を破損する恐れもあり、聴力に障害が出たり時には神経症状を発症することもありますので、早めに診察を受けるようにしましょう。

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チェックポイント:口

健康な犬の口とは

  • 口臭が少ない
  • 舌の色は赤く、歯茎もピンク色
  • 歯は白く歯石が付いていない
  • 噛み合わせ、歯並びがきれい

という状態です。

  • 口臭がする
  • 歯垢がついている
  • 歯茎が赤い

《口臭がする・歯石がある場合》

口から少し口臭がする、歯垢がついている程度の状態であれば、歯磨きを行うことで口の中の状態を健康に保ち、歯周病を防ぐことができます。

まずは歯磨きに愛犬を慣らし、歯磨きの習慣をつけましょう。

しかし、歯石がかなりついてしまっていたり、不快な口臭がある場合は歯周病になっている可能性があります。

また、歯茎が赤い場合は歯肉炎、口内炎や腫瘍なども考えられるので、早めに獣医さんに診てもらいましょう。

歯石などがないのに口から異臭がする場合は、肝臓や腎臓の異常も考えられます。

その他、常に歯磨きを行っているのに口臭がひどい場合には、歯周病以外の内臓の病気も考えられるので、獣医さんに診てもらいましょう。

すでに歯石がたまってしまっている場合は、歯科診療を行う動物病院で除去することもできるので、相談しましょう。

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  • 歯茎や舌の色がおかしい

《歯茎の色がおかしい場合》

舌や歯茎、唇などの粘膜部分の色が全体に変化する原因はいくつか考えられます。

粘膜が青白い場合は、血液循環に支障をきたしているチアノーゼの可能性があり、呼吸障害や心臓障害も考えられ深刻な状態です。

粘膜部分が黄色っぽい場合は、黄疸の可能性もあります。

また、歯茎の色が白っぽい時は貧血の可能性もあります。

いずれの場合も早く獣医さんの診察を受けることをお勧めします。

舌や歯茎、唇などの口の中の粘膜の正常な色はピンクですが、部分的に黒っぽくなる場合には色素沈着であって異常ではありません。

愛犬が普段の健康でいる状態の色を把握していると、異常があった時に、気付きやすくなるので普段から観察するようにしましょう。

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  • よだれを垂らす
  • 食べ方がおかしい

《よだれを垂らす場合》

ご飯など好物を目の前にした時に愛犬がよだれを垂らすのは、健康的な反応です。

また自動車に乗るのに慣れていない犬が車酔いをした時にもよだれを垂らしますが、これも一時的なもので車から降りて酔いがおさまれば問題はありません。

しかし、よだれの中には「流涎症(りゅうぜんしょう)」と呼ばれる、病気の兆候もあるので注意しましょう。

また、口の中に痛みがある場合には食べ方がおかしくなったりよだれを垂らすという症状が出やすくなります。

その他の原因としては、混合ワクチンなどの予防接種を行っていない場合、狂犬病、ジステンパーなどの感染性の病気で、飲み込めない唾液が口の中から流れでることも考えられます。

その他、有機リン剤の中毒などの可能性もあるのでよだれといっても軽視は禁物です。

チェックポイント:皮膚・被毛

手やブラシで愛犬の毛や体を触りながら、皮膚炎や脱毛、しこり、ふくらみがないか、ノミ・ダニなどの寄生虫がいないかチェックしましょう。

メスで乳腺にしこりがある場合は乳がんの可能性もあります。

また前脚の狼爪が伸びすぎていないか、肉球や爪の間に何かが挟まっていないかもチェックしましょう。

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  • 耳や体をよく掻く
  • ノミやダニがいる
  • 毛に黒いゴマのようなものがついている
  • 掻きキズがある

《かゆがる場合》

愛犬が体を掻くことが多いなど、かゆみを伴うしぐさを多くする場合は、ノミやダニなどの外部寄生虫の感染が疑われます。

毛を開き黒いゴマのようなものがついている場合、それはノミの糞である可能性があります。

黒色の耳アカが多い場合は、耳ダニによる外耳炎の可能性もあります。

また、疥癬や毛包虫と言われるダニや細菌や真菌などの感染、アレルギーなどひどいかゆみを伴う皮膚病の場合、犬が爪を立てて掻くことにより、さらに皮膚を傷つけ悪化してしまう場合があります。

外部寄生虫はあらかじめ駆除する薬を使用することで防ぐことができますが、既に感染してしまっている場合は皮膚炎などを起こし、治療が必要な場合もあるので獣医さんに相談しましょう。

またノミやダニは飼い主さんなど人間にも感染してしまうので、出来るだけ早期の対策が必要です。

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  • 毛がもつれている
  • 毛がパサつく
  • フケがある
  • 皮膚に赤みがある
  • 毛が脂っぽくベトベトしている
  • 体臭がある
  • 湿疹がある

《湿疹できてる・被毛がおかしい場合》

愛犬の皮膚や被毛のケアで欠かせないのがブラッシングです。

特に被毛が長い犬は根元からのブラッシングが大切です。

毛がもつれたまま放置していると、被毛だけでなく皮膚にもダメージが出てしまう場合があるので気をつけましょう。

また、いつも脂っぽくベトベトしていたり、臭いがあったり、フケが多い場合などは、脂漏症の可能性もあり、症状に適した薬用シャンプーなどでケアする必要があります。

  • 皮膚の色が黄色っぽい
  • 皮膚の色が紫色っぽい

《皮膚の色がおかしい場合》

皮膚が変色してしまっている場合、青紫色や赤紫色になっていたら皮下での出血が考えられます。

体をぶつけて打撲して色が変わる場合の他に、血液凝固に異常がある可能性もあります。

また皮膚の色が黄色っぽくなっているような場合は、白目や歯茎なども黄色っぽくないか確認してください。

他の部分も黄色っぽい場合、黄疸症状の可能性もある為症状が軽いと思われてもできるだけ早く獣医さんに診せにいきましょう。

また、紫斑なども命に関わる可能性もあるので、速やかに動物病院へ行きましょう。

チェックポイント:お腹

お腹のチェックポイントは以下の通りです。

  • お腹が膨らんでいる

《お腹が膨らんでいる場合》

お腹が膨れていても食べ過ぎが原因の場合は、一時的なもので時間が経てば元に戻るので心配ありません。

しかし食べ過ぎ以外の原因の場合は病気のサインかもしれません。

お腹が膨らむ原因には臓器そのものが大きくなっている場合があり、胃拡張胃捻転症候群や腹腔内腫瘍、雌の場合は子宮蓄膿症や子宮水腫の可能性も考えられます。

その他、循環器疾患や泌尿器疾患、肝疾患などで腹水が溜まっていたりすることもある為、早めに動物病院で診てもらいましょう。

妊娠中や肥満の場合もお腹が膨らみます。

肥満の場合は急病ではありませんが、糖尿病や椎間板ヘルニア、関節の病気など色々な疾患の原因になってしまうので、気をつけましょう。

チェックポイント:体

体全体のチェックポイントはいくつかあります。

  • イボやホクロみたいなものがある
  • しこりがある

《しこりやイボがある場合》

犬も高齢になると皮膚に腫瘍ができやすくなります。

特に乳腺にしこりがある場合は乳腺腫瘍の可能性が疑われます。

乳腺腫瘍は犬に最も多くみられる腫瘍で、約半分が悪性腫瘍です。

日頃から愛犬の体を触って、しこりを早期発見することが重要です。

乳腺腫瘍は雌だけでなく、まれに雄にも発生する病気なので雄でも注意しましょう。

また、ホクロやイボに見えるものの中にはマダニの吸着の場合もあります。

マダニは犬の体に吸着すると小豆大になり、無理やり取ると牙が残って炎症を起こす原因になるので、動物病院で除去してもらうようにしましょう。

マダニの場合、命にも関わる「バベシア」と言う病気を媒介することがありますので注意が必要です。

また、マダニは予防薬である程度防ぐことができるので、ダニが活発に活動するシーズンはしっかり予防薬を使用するようにしましょう。

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  • 触ると嫌がる
  • 体のある部分を触ると反応がおかしい

《体を触ると嫌がる場合》

普段は体を触っても平気なのに、ある日突然体を触ろうとすると逃げたり、怒ったりするなど嫌がる仕草を見せた場合、体に痛みがある可能性があります。

まずは外傷や腫れなどがないか確認しましょう。

目に見える傷などがない場合でも関節炎や椎間板の病気、内臓の病気も疑われます。

特に背中を丸めてじっとしていることが多い場合は、背骨や腹腔内に痛みがある可能性が高いので、速やかに獣医さんで診てもらいましょう。

犬によっては、痛みがなくても元々体を触られることが苦手で嫌がる子もいます。

しかし、体を触られるのを嫌がったままだと、病気の発見が遅れるだけでなく、病気になったとしても必要なケアができない場合があります。

犬の苦手意識をなくすように、おやつなどのご褒美を与えながら「体を触られると良いことがある」と学習してもらい、飼い主さんがいつでも愛犬の体をスムーズに触り、問題がないか調べられるようトレーニングしておきましょう。

  • お肉が付いていてアバラ骨が分からない
  • 骨ばっていて肉が感じられない

《肥満・痩せ過ぎの場合》

愛犬の胸の辺りを触った時に、お肉が付き過ぎてアバラ骨や背骨が分かりにくい場合は肥満な状態です。

また、逆に骨がゴツゴツして肉が感じられないのは痩せ過ぎな状態です。

どちらもそれ自体は病気ではありませんが、肥満の場合は糖尿病や呼吸・循環器の病気、肝臓の病気、脊椎や関節などの障害が起こりやすくなります。

また、太っているように見えても、肥満ではなく全身がむくんでしまう病気もあるので、皮膚を指で押してすぐに元に戻らない「むくみ」が出たら獣医さんに診てもらいましょう。

さらに急に痩せたり、急に太ったりするのも、なんらかの病気のサインだと考えられます。

定期的な体重測定を行い、肥満や痩せ過ぎに早めに気づけるようにしましょう。

可能であれば、動物病院で愛犬の理想体重を確認し、肥満にならないよう摂取カロリーや消費カロリーの調整を行うのが理想です。

チェックポイント:食欲

愛犬の食欲がなくいつもは完食するフードを残すことがあります。

気温の急激な変化や環境の変化によるストレスを受けると食欲不振に陥りやすいです。

1~2日ならそれほど心配はいりませんが、もし愛犬が何日もご飯を食べたがらないようなら、一度病院へ連れていきましょう。

  • ご飯を食べない
  • 食欲がない

《ご飯を食べない場合》

食欲は犬にとっても健康のバロメーターです。

食事を全くしない場合には、なんらかの病気にかかっている可能性があります。

ただし、引越しなどによる環境の変化や飼い主さんと接する時間の減少といったストレスによって食欲が減退する場合もあります。

元気な様子で、下痢や嘔吐、咳など他の症状がみられない場合は、1日様子を見ても大丈夫でしょう。

鼻を近づけ、食べたそうにしているのに食べない時は、喉や口の中、鼻、脳などに問題があるかもしれません。

また、食べはするがご飯を残してしまう場合は、ご飯の量が多いだけの可能性もあります。

あまり運動をしない日や気温が高い時期は、エネルギーの消耗が少なく必要なカロリーも少なくなります。

  • 嘔吐してしまう

《嘔吐する場合》

犬は元々比較的吐くことの多い動物です。

一度だけ吐いた後いつも通り元気があり、食欲もあるようならそれほど問題はないでしょう。

しかし、吐いた上で元気がない場合や他にも症状が見られるときは病気の可能性が高いので注意が必要です。

嘔吐してしまう病気としては、食道の障害、消化器系、腎臓・泌尿器系の病気、感染症なども考えられます。

また誤食による腸閉塞などもよくみられる病気です。

腸閉塞の場合は早急な外科的摘出が必要になります。

獣医さんの診察を受ける場合は、「吐いた時間」「回数」「吐物の状態」「愛犬の状態」「その他の症状の有無」などをきちんと伝えることが、診断の大切な手掛かりになります。

また元気も食欲もあるけれど、食べても嘔吐が続く場合は、胃の中に異物が入っている可能性があります。

元気にしていても至急動物病院で診てもらいましょう。

  • 水を沢山飲む

《水を沢山飲む場合》

激しい運動をした後に水を沢山飲むことがありますが、激しい運動をしていないのに飲み水の量が増えていると感じたら、腎臓やホルモンの働きに異常があるかもしれません。

多飲の場合、尿の量も増えていると思いますが、この場合「糖尿病」「クッシング症候群」「慢性腎不全」「肝不全」「子宮蓄膿症」などが考えられます。

悪化すると他の症状も出て来ますが、多飲多尿の段階で発見できると早期診断による治療ができ、病気の進行を遅らせることも可能です。

できれば、1日に与える水の量を決め、その減り具合から1日にどれくらい飲んでいるか把握しましょう。

目安として、犬の体重1kgあたり100ml(例えば体重5kgで500ml、体重10kgで1L)ほどの水を毎日飲んでいる場合は、多飲であるといえます。

尿量は1日通常体重1kgあたり20ml~45mlです。

ただし多飲させないように水を制限してしまうと、脱水症状のリスクも起きる為、水は常に飲める状態にしておきましょう。

チェックポイント:オシッコ

オシッコをチェックする時は、量の変化や、匂い、回数などに注目しましょう。

正常なオシッコは色がやや黄色く、匂いが多少アンモニア臭をもつ程度です。

オシッコの色が赤みを帯びていったり、褐色であったり、いつもより匂いがきつい時は体調に変化がないか注意しましょう。

またオシッコの量や回数がいつもより目立って多い場合や少ない場合も、何らかの病気が隠れている可能性があります。

  • オシッコの色がおかしい
  • オシッコの量が多い

《多尿、オシッコの色がおかしい場合》

室内にトイレを設置してる場合、オシッコの量や色、状態などを観察しましょう。

オシッコの色が薄ければ、多尿になっているかもれません。

水を飲む量もチェックし、多飲多尿ならば病気の可能性があります。

尿がベタベタしていたら「糖尿病」の可能性もあります。

さらに、オシッコが赤っぽい褐色、オレンジ、醤油のような色の場合は、膀胱や前立腺(去勢していない雄犬)からの「血尿」や「タマネギ中毒」「フィラリア」「免疫性溶血性貧血(ヘモグロビン尿)」、濃い黄色は黄疸による「ビリルビン尿」と呼ばれる病気の可能性があります。

また、排尿姿勢を何度もとるがわずかしか尿が出ない場合は、排尿障害や炎症にともなう残尿感による頻尿も考えられるので、早めの診察を受けましょう。

マダニにくわれた経験があれば「バベシア」の可能性もあります。

命に関わる病気もあるので、愛犬の尿の色は常に把握しておきましょう。

  • オシッコが出ない
  • 何度もトイレに行く

《オシッコが出ない場合》

オシッコの回数には固体差がありますが、尿を全くしなかったり、オシッコをするポーズをするのに出にくくなっていたりすることに気がついたら、早めの受診が肝心です。

中でも丸1日尿が出ていない場合は、急いで動物病院へ行きましょう。

3日間排尿がない場合には「尿毒症」で死に至ることもあります。

尿は腎臓で作られ膀胱にたまり、尿道を通って排泄されます。

排尿が困難な場合は「腫瘍」や「結石」「前立腺の異常」「ヘルニア」などの病気が考えられます。

結石は雌でも形成されますが、特に雄は尿道が細長いために閉塞をおこし排尿困難になりやすいようです。

また「膀胱炎」になると残尿感からずっと排尿姿勢をとることもあります。

「腎不全」を発症するとオシッコがまったく生産されなくなる場合もあり、数日で命に関わる状態にすすむこともありえます。

愛犬が毎日どのくらいオシッコをしているのか、きちんと把握するようにしましょう。

丸1日オシッコをしていない場合には早急に動物病院で診察を受けるようにしましょう。

チェックポイント:ウンチ

ウンチのチェックする時も、量の変化や、匂い、回数などに注目しましょう。

健康な犬のウンチは、色は茶色かこげ茶色で、触っても形が崩れず、程良い固さです。

回数はその子によりまちまちなので、いつもと変化がないかどうかがポイントになります。

うんちの色が黒い、赤いまだら模様になっている、白いなどの場合は注意が必要です。

便秘が続く時は「腸閉塞」などの重大な疾患に患っていることもありますので、たかが便秘と軽く考えないようにしましょう。

便がゆるい場合には、ストレスや腸炎など様々な原因が考えられます。

下痢が長引くと脱水症状を起しやすいので、子犬や老犬は早めに動物病院に連れていきましょう。

  • 便秘

《便秘をしている場合》

便秘とは排便の時に強くいきまないと便が出にくい状態で出た便も硬く乾燥している状態です。

便秘とは言え、便秘が続く場合は病気の可能性もあります。

ただし少しずつでも排便するなら、一過性の可能性もあるので観察してみましょう。

しかし、便秘が続く状態なら大腸の病気や泌尿器・生殖器疾患、神経障害、代謝・内分泌、外傷などの病気の可能性があります。

また便意があり排便のスタイルをするのに、ウンチをしない状態は便秘だけでなく、排尿障害の可能性もあります。

便の回数は、1日1~3回なら正常ですが、固体差があるので普段の愛犬の健康な状態の排便回数を把握しておきましょう。

そして、便の回数が減ったら、他の異常がないか気をつけて愛犬を観察しましょう。

去勢をしていない高齢の雄犬には排便障害や排尿障害を伴う疾患が多く発生しますので、定期的な健康診断をするようにしましょう。

  • 下痢や軟便

《下痢している場合》

下痢や軟便であるからといって病気とは限りません。

例えば牛乳を飲んで下痢をする犬もいますし、フードを急に切り替えた時やアレルギーやストレスで下痢をする場合もあります。

しかし、体力のない子犬や高齢犬の場合、急性の下痢が悪化し死亡することもあるのであなどってはいけません。

子犬や高齢犬の下痢は、早めに診察を受けるようにしましょう。

元気があり活発で食欲もある成犬の一時的な下痢や軟便は多くの場合、ゴミ箱をあさったり、何か異物を食べたり、飲んだりしてしまった場合も多いので、少し様子を観察して判断しましょう。

ただし、下痢が続く場合や慢性的な軟便で痩せてくるような場合は早めに動物病院で診察を受けましょう。

急性の下痢は「寄生虫」や「細菌」「ウイルスの感染」や「中毒」などが考えられます。

慢性の下痢の場合は、「腸炎」や「腸閉塞」「胃や腸の腫瘍」「膵炎」などさまざまな病気が疑われます。

また、寄生虫感染により便に虫が出てくることもあるので、愛犬の便を注意深く観察するようにしましょう。

チェックポイント:行動

体調の悪さがダイレクトに現れるのが、愛犬の行動です。

体のどこかに痛みを抱えていると、神経質となり興奮しやすくなります。

いつもより落ち着きがなかったり、理由もなく吠えたりする場合には、気を付けて愛犬を観察してあげましょう。

ぐったりしていたり、動きが鈍かったり、ハウスから出たがらないなど明らかに元気がない場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

  • 疲れやすい
  • 元気がない
  • 運動を嫌がる
  • 散歩中に歩きたがらない

《元気がない場合》

犬は基本的に食事と散歩が大好きな動物です。

しかし、好きなはずの散歩中に歩くのをやめてしまったり、誘っても運動を嫌がったり、すぐにバテてしまう場合は、持続的な肉体運動に耐えられない、循環器や呼吸器の病気の可能性があります。

その他、骨や関節の病気、貧血、ホルモン異常の場合もあります。

また、高齢になると心臓の弁の病気になることがあり、散歩中に立ち止まることで異常に気がつくことが多くあります。

肥満犬の場合、脚に負担がかかるので、運動を嫌がることもあるようです。

  • 立てない
  • ぐったりしている
  • 痙攣する

《立てない、痙攣する場合》

意識が低下し、立ち上がって体を動かすことができない状態の場合は愛犬の生命に危険が迫っています。

「脳疾患」「代謝性の疾患」「心臓・循環器・呼吸器・腎臓・肝臓の疾患」のほか、「感染症」や「薬物中毒」なども考えられ、緊急の処置が必要です。

また、痙攣する場合は、「テンカン」「有機リン中毒」「低カルシウム血症」「脳疾患」「腎・肝疾患」などが疑われます。

この場合も、早急に獣医さんの診察を受けるようにしましょう。

痙攣する場合には家の中でも怪我をしてしまうことがあるので、愛犬の安全を考えて、ぶつかるものがないように配慮をしてください。

動物病院へ連れていく時も、安全に気をつけ、目を離さないように注意深く見守りましょう。

  • 動作がぎこちない
  • 頭が傾いている

《頭が傾く場合》

犬の意識がしっかりしているのになんとなく動きがぎこちない場合には神経のバランスに異常があるのかもしれません。

まっすぐに歩けなくて曲がってしまう、頭が傾いているといった不自然な動きがある場合、運動失調症の可能性があります。

特に多いのは内耳の内部にある平衡感覚を司る障害の「前庭性の運動失調症」です。

前庭に疾患がある場合は、障害がある方向に頭が傾いたり、グルグル回り続けることがあります。

特に高齢犬に多く見られます。

その他、「視力障害」や「脳障害」「中毒」「感染症」などの可能性も考えられます。

  • よくモノにぶつかる
  • 吠え続ける
  • 声がおかしい
  • 奇声を発する

《異常行動をとる場合》

家の中にいてよくものにぶつかる場合は「視力に問題がある」場合や「平衡感覚の障害」、「認知症」などの脳障害も考えられます。

特に高齢犬で徘徊したり、奇声を発したり、夜吠え続けたり、食べ物の好みが急に変わったり、不適切な場所で排泄をするようになったりする場合は「認知症」の可能性が高いです。

治療は困難を伴いますが、薬物の投与で症状の改善がみられることもあるので、獣医さんに相談してみましょう。

若齢で吠え続けたりする場合には、「分離不安」など精神的な原因も考えられます。

また、吠え声の異常でガァガァとアヒルのような声を発する場合は、「軟口蓋過長症」や「気管虚脱」の可能性もあります。

これらは小型犬の短頭種に多く発生しています。

若齢犬で吠え続けるのは問題行動の場合も多いので、しつけで改善されることも十分可能です。

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  • 歩き方がおかしい
  • 足をかばう
  • 足を引きずる
  • 足をなめる

《歩き方がおかしい場合》

愛犬の歩き方がおかしい時は足に痛みがある可能性があります。

爪が割れた、肉球に傷がある、何かが刺さるといった外傷の他、「皮膚病」「骨折」や「脱きゅう」など、骨や関節、靭帯、筋肉の障害も考えられます。

まずは4本のうちどの足をかばっているのか観察しましょう。

また、リラックスしている時に、気にしている足をなめることもあります。

肉球や爪などに異常がないか、よく確認しましょう。

犬はストレスによっても、足をなめたりします。特にさみしがりの犬は、ひとりになった時に手足をなめ、それが原因で炎症に発展する場合もあります。

その他、足を洗った後きちんと乾かさないで放置していると、指の間に細菌が繁殖して炎症がおこるケースもあります。

チェックポイント:呼吸

犬の正常な呼吸数は小型犬で1分間に約20~30回、大型犬で約10回から15回です。

ただこの数値は獣医師が病院で計測した際の目安となる数値であり、自宅でのリラックスした時の数値と同じなのかはまだ分かってはいません。

散歩から帰った直後や遊びに夢中になっているときは、呼吸も早くなりますので、愛犬が安静にしているときにチェックしてください。

胸が上下に動く回数を数えます。

いつもより息が上がっている、呼吸が荒いなどの症状があり、舌の色が赤黒くなっているときは要注意です。

しばらく様子を見て改善しないようなら、動物病院を受診しましょう。

  • 舌が出た状態で息があがる
  • 舌が出た状態でぐったりしている
  • 涼しい場所でもハァハァしている

《舌を出し息があがる場合》

運動など、激しく体を動かした後に、息があがるのは当然です。

口をあけてハァハァするのは、水分の蒸発と放熱を行っているからで、しばらくすると落ち着くのが一般的です。

しかし、熱中症などの場合はすぐに対策が必要ですし、思い当たる節がないのに息が荒い、舌や唇の色がおかしい、ヒューヒューゼーゼーなどの呼吸の音が聞こえる場合は、何らかの病気が疑われます。

高温の環境にいて、熱中症が疑われる場合は死に至る場合もありますので、まず体を冷やし出来るだけ速やかに動物病院で診察を受けてください。

特に短頭種(パグやシー・ズーなど)と言われる犬種では注意が必要です。

その他、呼吸が苦しくなる病気には「鼻や咽頭の病気」や「感染病」「気管・肺などの病気」「心臓病」なども考えられます。

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まとめ

日々無意識的にチェックしているポイントもあれば、あまり気にしていなかったチェックポイントもあったかと思います。

ここに挙げたチェックポイント以外にも気になることがあれば、ぜひ早めに獣医さんへ相談をしましょう。

また、一見問題がないように見えても、定期的に獣医師による健康診断を受けることで病気を発見しやすくなります。

どんな病気も早期発見と早期治療が大切です。

愛犬の健康を守れるのは飼い主さんです。

言葉を話せない愛犬のため、日々のスキンシップ、コミュニケーションの中でできる愛犬の健康チェックをぜひ実践してみましょう。