こんにちは。ポメラニアンのモコです。
私たち人間と同様に、犬も毎日欠かさずに水を飲みます。
人間の場合、水を飲むときは水道水の他に浄水やウォーターサーバー、ペットボトル等で天然水を買って飲むことも多いと思います。
一方で、犬に飲ませる水はミネラルウォーターと水道水、どちらの方が体にいいのかと考えることもあるかもしれません。
最近では犬の健康を考慮して飲み水にも注目が集まっています。
ここでは犬が水道水を飲むことの安全性や浄水・天然水などの水選びについて考えていきましょう。
「ミネラルウォーター」と「水道水」の違いは?
「ミネラルウォーター」と「水道水」にはどのような違いがあるのでしょうか?
ミネラルウォーターの種類
ミネラルウォーターには実は「天然水」と「RO水」の2種類があります。
食品の1つであるミネラルウォーターは水道水ほど摂取量が多くないため、39項目からなる「食品衛生法」に則っており水道水より基準が緩和されています。
天然水
天然水とは「ろ過」や「沈殿」「加熱殺菌」以外の物理的・化学的処理をしていない天然のミネラルが含まれた地下水のことを指します。
RO水
RO水とは水道水などの原水をRO膜という逆浸透膜を通して不純物を取り除いた水のことです。
水道水
水道水とミネラルウォーターは、それぞれ安全基準が異なります。
水道水は「水道法」および「食品衛生法」で厳しく基準が設けられています。
特に「水道法」には51もの項目があり、生活に深く関わる水道水が人間の健康を害することがないよう水道水の合格基準を厳しく定めています。
犬がミネラルウォーターを飲んでも大丈夫?
犬に硬水のミネラルウォーターなどを与えると「尿結石の原因になるのではないか?」と心配される飼い主がいるかもしれません。
ミネラルウォーターに含まれているマグネシウムやカルシウムが結石となる場合があるのです。
尿結石とは犬の膀胱や尿管内に結石ができる病気で、排尿障害から腎臓に負担をかけたり尿管が詰まって尿毒症になり、重篤な状態になる可能性もある病気です。
尿結石の原因は犬種やその犬の体質にもよるとされていますが、マグネシウムやカルシウムが原因とされ、これがミネラルウォーターが良くないと言われている理由です。
しかし、これは過剰摂取によるもので、水の硬度に注意すれば問題はないでしょう。
ミネラルウォーターを与えたい場合は、ミネラル分の多い硬水は避け軟水を与えた方が良いでしょう。
また海洋深層水などに含まれるマグネシウムも通常の水よりも多いですが、こちらも犬に少量を与える程度であれば問題ないでしょう。
マグネシウムなどのミネラルを摂取すること以上にミネラルウォーターによって、犬の体内の水分量が増え濃度が希釈されるため、体に悪影響が出ることは考えづらいです。
ミネラルウォーターには様々な種類があり、メーカーによって軟水のものも硬水のものもあります。
たとえば軟水なら「南アルプスの天然水」や「ボルヴィック」、硬水なら「エビアン」などがあります。
ただし中には同じブランド名のミネラルウォーターであっても、売ってる場所によって水源が異なる場合があるので、ミネラルウォーターを犬に与える時は、成分量をしっかり確認してからの方が安心ですね。
愛犬に与える水は「水道水」で大丈夫?
愛犬に飲ませる水はミネラルウォーターにこだわる必要はなく、水道水(軟水)で全く問題ありません。
日本の水道水はミネラルウォーターより厳しい基準が設けられているため、人間だけでなく犬も安全に飲むことができます。
また、日本の水道水は地質の関係上軟水が多く、犬に飲ませても問題がない硬度となっています。
しかし、それでも飲み水選びにあたり色々な選択肢が増える中で、水道水を選ぶのは何となく不安と考えている方もいるかもしれません。
ここでは、日本の水道水の水質や安全性をご紹介していきます。
水道水の「カルキ」は犬にとって大丈夫なの?
飼い主さんの中には、水道水の「カルキ」(塩素やトリハロメタン)の犬への影響を気にされる方もいるかもしれません。
塩素には殺菌作用があり、犬が水道水を飲んでも感染症にかからないのは、塩素のおかげです。
日本の水道水のカルキは水道法で厳しく管理されており、蛇口において1mg/l以下となるよう調節されています。
WHOによる基準値は5mg/lであり、日本はそれより更に低い基準値となっています。
カルキを抜くために、置き水や煮沸した方がいいのではないかと考えられるかもしれませんが、カルキを除くと雑菌の繁殖といった衛生面のリスクが高まる可能性があるため、カルキを抜く必要は特にありません。
また、浄水器の水についてもそのまま飲ませても問題ありません。
一部地域では硬水の水道水もあり
日本全国の水の平均硬度は約50mg/lで「軟水」となっています。
しかし、一部地域によっては軟水ではなく硬水が流れている場合があります。
水1,000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」と言い、日本での一般的な総称として、硬度0~100mg/l未満を「軟水」、硬度100mg/l~300mg/lを「中硬水」、硬度300mg/l以上を「硬水」と呼びます。
水道水の水質は、採水する浄水場によって異なりますので、家庭で流れている水道水の平均硬度を愛犬に飲ませる前にチェックしておきましょう。
九州や沖縄エリア、関東地方の水道水は平均的に硬水になっている割合が大きいと言われています。
自宅の水道水の水質チェックしてみよう
クリタック株式会社さんのホームページでは、全国主要都市の水質を独自に調査し、発表しています。
愛犬に水道水を飲ませているというご家庭はぜひお住まいの地域のマップをのぞいてみましょう。
愛犬に水道水を飲ませる前にチェックすべきこととは?
犬に水道水を飲ませる前にチェックすべきことにはどのようなことがあるのでしょうか?
カルキ臭を消したい場合は煮沸しましょう!
水道水はカルキの量が多すぎると臭いを放ちます。カルキの使用量は浄水場によって異なるため、特定地域では常にカルキ臭い水道水を飲み続けることになります。
臭いに敏感なワンちゃんだと、カルキ臭い水道水を飲みたがらないケースもあるでしょう。
水道水からカルキを完全に抜くためには、約24時間かけて日光を当て続ける必要がありますが、無菌室でもない限り、逆に水が傷みやすくなるためあまり推奨されません。
カルキ臭を消したい場合には、水道水を煮沸してから冷ますことでカルキ臭を少し飛ばすことができます。
浄水器は使った方がいい?
古い水道管を使用していたり、マンションなどで貯水槽を利用している場合には、水道管や貯水槽に汚れやサビ、不純物などが付着していることがあります。
また、鉛タイプの水道管を利用している場合には鉛が少し溶けだしてしまうことがあります。
もちろん定期的に清掃されていることがほとんどだと思いますが、蛇口直結型の浄水器が一時期とても流行しました。
浄水器の性能によって、除去できる物質は異なりますが、日本のJIS規格では、溶解性鉛や残留塩素・農薬などをフィルターし、除去できるようになっています。
きちんとフィルター交換を行なう必要などがある為、使い方には注意が必要もありますが、浄水器を使うことでより安心して水道水を飲用できると思います。
愛犬に飲ませる1日の水分摂取の適正量はどのくらい?
犬が1日に飲む水の量は、体重によって変わります。
通常、体重1㎏あたり水50mlは必要と言われていて、たとえば2kgの体重なら100ml、3kgなら150mlと増えていき、20kg以上の大型犬となれば、1日に1,000ml以上の水を必要とします。
この数値はあくまでも目安であり、気温や湿度や、運動量、フードの種類によっても変わります。
愛犬が水を欲しがっている場合は、しっかり与えるようにしましょう。
まとめ
愛犬にミネラルウォーターを与える場合は硬度に注意しましょう。
日本では水道水でも全く問題ありません。
どちらにしても犬には毎日沢山の新鮮な水が必要です。
いつでも愛犬が十分に水を摂取できるように、飼い主さんがしっかり準備をしましょう!