愛犬のノミ・ダニ予防法は?原因や症状、予防期間を解説☆

ワンちゃんの毛や皮膚に寄生するノミやダニは痒みを引き起こし、皮膚病の原因になってしまうため、普段から予防を行うことが大切です。
今回はノミ・ダニによる症状や対処法をご紹介します。

ワンちゃんのノミの特徴と発生する原因

ノミやダニは、室内外を問わずさまざまな場所に生息しています。ワンちゃんは、ノミ・ダニが寄生しやすいうえ、体に毛が密集しているので発見が難しい為、飼い主さんの知らないうちにノミやダニが大量発生していたというケースも見受けられます。

ノミの特徴は?ダニとの違いは?

ノミは虫の一種で、日本には約80種類存在すると言われています。約1.5〜3mm程度の大きさで、犬や猫など動物の体に寄生して吸血します。
ノミは春から秋にかけて発生しやすくなります。気温が約13℃以上になると繁殖しはじめ、約20〜30℃で繁殖サイクルが活発になり大量発生しやすくなります。冬場の暖かい室内でも油断できません。
条件によっては卵から孵化して成長し卵を生むまでに約2週間程度のサイクルを繰り返し、爆発的に繁殖していきます。
また家の中のカーペットやソファ、ベッドなど湿気のある場所などにもノミの卵や幼虫、サナギが生息している可能性があります。人が吸血されることも多く、発赤と強いかゆみが続きます。室内を清潔にし、ノミがワンちゃんの体を吸血したり、繁殖しないように予防・駆除する必要があります。
ノミは、ダニと間違われることがあります。ワンちゃんに関係するマダニは約1〜5mm程度の大きさで、犬に寄生して吸血すると、約1cm程度に膨らむという特徴があります。
ノミもダニもどちらも、感染症の媒介や皮膚病の原因になるので、予防・駆除が欠かせません。

ノミ・ダニの原因とは?

『うちのワンちゃんは室内で飼っているから、ノミはつかないはず』と思っている飼い主さんもいるかもしれませんが、外出時に人の服や靴にノミがくっつくことで、家の中にノミが入ってしまうことも珍しくありません。また、ワンちゃんの散歩の際に、道にノミの成虫・幼虫・卵が落ちていることは多いですし、茂みや草むらに近づいたときに、ノミがワンちゃんの体に付着し、室内に持ち込まれることもあります。

犬にノミが寄生するとどんな症状が出る?病気の可能性は?

ノミやダニがワンちゃんに引き起こす症状はどのようなものなのがあるのでしょうか?普段とは違うサインをチェックしてみましょう。

ノミが寄生しているサインとは?

ワンちゃんに以下のような様子が見られたら、体にノミが寄生している可能性があるので気をつけましょう。
・足で顔や体を掻いている
・歯で体を噛んでいる
・地面に体をこすりつけている
・肌が点々と赤くなっている
・毛に黒いフケのような塊がある(ノミのフンの可能性)
・皮膚の炎症がある
・脱毛している部分がある

ノミで引き起こされる病気とは

アレルギー性皮膚炎

ワンちゃんはノミに何度も吸血されることでアレルギー症状を引き起こし、皮膚炎を起こすことがあります。わずかなノミの寄生であっても強いかゆみ、湿疹、脱毛などを起こす事があります。

瓜実条虫(サナダムシ)

瓜実条虫(サナダムシ)はノミの幼虫がその卵を食べることでノミの体内で発育します。ワンちゃんがグルーミング等でサナダムシの幼虫を宿したノミの成虫を食べることにより小腸に寄生し、大量に寄生すると下痢・嘔吐などの症状が現れることがあります。

貧血

大量のノミやダニが寄生し吸血することで貧血を起こす可能性が高くなります。

ダニが媒介する感染症

マダニを介して犬に感染する伝染病は犬バベシア症、ライム病、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などがあります。中でも感染すると命に係わるSFTSは、近年増えているので注意が必要です。

ワンちゃんのノミやダニは人間への影響はあるの?

ワンちゃんのノミやダニは、人間にも悪影響を及ぼす場合が少なくありません。

ノミやダニによる痒みなど

ワンちゃんにノミやダニが寄生すると、飼い主である人間にも、さまざまな症状が出る場合があり、代表的なのは、かゆみや発疹、皮膚の炎症症状です。これらは、ワンちゃんに寄生したノミやダニに刺されることによって起こります。

人間に重篤な症状を引き起こす場合も

マダニの媒介による疾患によって原因不明の発熱、貧血、倦怠感が起きる事があります。

ノミの駆除・対処法と予防について

ノミを発見したらどのように対処すればいいのでしょうか? 飼い主さんのできる対処法やノミが寄生しにくい予防法を解説していきます。

つぶすのはNG!正しいノミの駆除の仕方とは

ワンちゃんにノミが寄生しているかどうか確認する為には、まずワンちゃんの毛をかき分けて、茶色や黒に見える細かいかさぶたのような塊の集まっている場所がないかどうか確認し、発見した場合にはそれを取り濡らしたティッシュの上に置いてみてください。赤くにじんできたら、それは吸血した「ノミの糞」の可能性が高く、ワンちゃんにノミが寄生している可能性が高いといえます。

実際にノミ取り用のクシにノミが引っかかった場合は、絶対につぶしてはいけません。つぶすことで、メスの体内の卵が大量に飛び散ってしまうだけでなく、万が一口に入ると飼い主さんが瓜実条虫症に感染する可能性もあります。ガムテープで捕まえたり、水に洗剤を加えた容器に入れたりし、卵の大量飛散を防ぎましょう。

実際にはノミはワンちゃんの身体を動き回るため、どこにいるのかわかりづらく、さらに飛び跳ねる為1匹ずつ捕まえるのは大変なので、予防薬や駆除薬を使うことをお勧めします。ノミを見つけたらまずは室内の掃除を行い、すぐにワンちゃんの身体に寄生したノミを駆除薬で駆除することが必要です。

症状によって対処方法が変わる場合があるので、動物病院を受診して治療をしてもらうのが確実です。特にノミ由来の激しいアレルギー皮膚炎を起こしている場合は、一気に広がってしまう事が多いので、早急な対処が必要です。

ノミを発生させないためには

清潔な環境づくり

最も大切なのはワンちゃんの飼育環境を清潔にすることです。ノミのエサとなるフケやホコリ、飼い主さんの食べかすを掃除機で吸い取り、風通しを良くして、ノミが繁殖しにくい環境を心がけましょう。

予防薬の投与

ノミ対策に効果的なのは、定期的に予防薬を投与することです。量販店で購入できるものと動物病院で購入できる動物用医薬品では効果にも違いがある為、かかりつけの動物病院で処方してもらうのがおすすめです。

ブラッシングやシャンプー

日々のブラッシングや定期的なシャンプーの際に、ワンちゃんが身体を痒がらないか、脱毛部分やノミの糞がないかを確認しましょう。日々のお手入れが、ノミの早期発見につながります。

ノミ・ダニを予防する時期は?

予防する時期についてはノミもダニも1年を通して予防を行うことが重要です。
ノミの感染ピークは梅雨の時期から夏にかけてですが、冬の間もノミが生き続けることが可能であり1年を通して予防を行うことが必要です。ダニの感染ピークは梅雨時と秋の2回ですが、こちらも1年中生息しているため年間を通した予防が必要です。

まとめ

藪や草むらでワンちゃんが遊んだあとはノミやダニがいないかをチェックし、室内はできるだけ清潔に心がけましょう。そして万一見つけても絶対につぶさないようにしましょう。
ノミ・ダニ対策をしっかりしながら、お散歩やお出かけなど、愛犬と楽しい生活を送りましょう。