多くの飼い主さんのお悩みで、「散歩の時、犬がリードを引っ張ってしまうので手が痛い」「愛犬がリードを引っ張るので首が苦しそう」という声をよくお聞きします。散歩をしていて他のワンちゃんや人との相性が悪いと引っ張られっぱなしになりトラブルになりかねません。
散歩というと、『犬を好きに歩かせる』というイメージがあるかもしれませんが、これは間違った散歩のやり方です。
犬は群れの中で生活する生き物であり、群れの順位についても非常に敏感です。散歩においても人に主導権があることや、犬ではなく人がリーダーであることを教えるという役割があります。お散歩に慣れて楽しく色々な所に散歩しに行きましょう♪
犬の散歩にしつけは必要?
結論から申し上げると犬の散歩にしつけは必要です。外の世界は思っている以上に危険がいっぱいなので愛犬の安全を守るのはもちろん、通行人の方や周辺住宅、環境への配慮などが求められます。
また、散歩をしていると、犬の排泄物に関する注意書きを目にすることが多いと思います。マナーを守って散歩していないと、飼い主も愛犬も、悪い印象を持たれてしまいます。
散歩のマナーをしっかりしつけることで、ご近隣トラブルを防ぎ、散歩を楽しい時間にすることができます。そんなときに基本となるのが「リーダーウォーク」。今回はリーダーウォークの基本的な知識やしつけ方についてご紹介します。
リーダーウォークとは?
リーダーウォークは犬を初めて飼った人にとって、聞き慣れない言葉だと思います。ではリーダーウォークとはどのようなものなのでしょうか。
リーダーウォークとは、犬が飼い主の横を自発的に歩くことです。大切なのは「自主的に」、そして「飼い主の横」という点です。
犬が先に歩く理由は?
本来であれば、人間が先に歩きワンちゃんが後から従うものですが、実際には犬が先に歩いている事も多いですよね。
犬が先に歩くのにはどのような理由があるでしょうか。
その原因は信頼関係がしっかり築けておらず、主導権が犬にあり主従関係が逆転していることにあります。
主従関係が逆転したままだと散歩がしにくいだけでなく、散歩以外の様々な場面で言う事を聞かなくなってしま可能性があります。
リーダーウォークの必要性
散歩がスムーズになる
スムーズに散歩を行うにはリーダーウォークがを必要不可欠です。特に大型犬の場合は力が強いため、飼い主が引っ張られてしまうと危険な状況になってしまう可能性もあります。また、引っ張られる事で体力的に負担が大きくなると、散歩に行く回数も減ってしまい、犬にとっての健全な生活を送れなくなってしまうこともあります。
危険から守る
リーダーウォークには犬を危険から守るという目的もあります。犬がいきなり走り出してしまうと、突然道路に飛び出して事故にあってしまう可能性もあり非常に危険です。また、歩いている人に飛び掛かってしまったり、落ちているものを口に入れたりといった散歩中に起きがちなトラブルを事前に防ぐという目的もあります。
身体への負担を減らす
散歩の時犬が引っ張る形だと散歩中に首の骨や気管支、腰、膝などの身体に大きな負担がかかってします。また引っ張られるのを抑えるために飼い主がリードを引くことで、首への負担はさらに増加し頸椎の椎間板ヘルニア等になってしまう事もあります。
また、日常的に首に負担がかかっていると、緑内障が悪化したり、脳にトラブルが発生することも考えられます。
愛犬には健康で長生きしてもらいたいですよね。リーダーウォークには犬の安全だけでなく健康を守るというメリットもあります。
リーダーウォークのやり方
リーダーウォークに必要なもの
リーダーウォークをしつけるには、首輪やハーネス、リードなどの道具が必要になります。首輪でもハーネスでも構いませんが、首輪の方が飼い主が導きたい方向に体を向けやすいので、最初は首輪の方がいいかもしれません。ただし、首に疾患がある犬や首が弱い犬種の場合、首や身体への負担を軽くする意味でハーネスの方がオススメです。
リードに関しては犬と並んだときに地面につかない程度の長さがいいでしょう。
また、きちんと言うことが聞けた時のためのご褒美も用意しておきましょう。
しつけの手順
まずは抱っこ散歩で外に慣れさせる
色々な匂いや音、景色など外には刺激がたくさんあります。いきなり外に散歩をしに行くと色々な刺激に気を取られ集中してトレーニングができないので、まずはワンちゃんを抱っこした状態で散歩に連れ出して外の刺激に慣れさせましょう。

外で歩かせてみる
抱っこ散歩で外の刺激に慣れ始めたら、お庭や自宅の近くに歩かせてみましょう。最初は動かないことが多いので好きなおもちゃやおやつで誘導してあげましょう。歩けたらたくさん褒めてあげましょう。

ワンちゃんは常に左に付くように
お庭や自宅の近くを歩かせるのに慣れたら、もう少し遠くまで歩いてみましょう。右手でリードを持ち、左手はリードに添えつつおやつを持ってワンちゃんを誘導します。その際、ワンちゃんがリーダーだと思わせないよう自分より前には行かせないようにします。飼い主を見ながら歩くようになったらご褒美をあげましょう。子犬は好奇心旺盛なのでリードやおやつなどで自分に向くよう誘導してあげましょう。

それでも前に進んでしまう場合は
子犬は元気いっぱいなので、なかなかトレーニングが上手くいかない場合は、散歩の前半は自由にさせてあげます。後半になると満足して速度が落ちるので、散歩の後半にトレーニングするとやりやすいと思います。
まとめ
今回はリーダーウォークの必要性、やり方などについてご紹介しました。上記の方法でもなかなか上手くいかない場合は、最初は部屋の中で練習してみましょう。犬によってはしつけに時間がかかることもあるため、忍耐強く、気長に行いましょう。
犬の散歩は健康のためだけでなく、飼い主との信頼関係を深めるのに大切なものです。散歩のしつけでお悩みの方にとってこちらの記事が少しでも参考になれば幸いです。