服従だけではない?愛犬がお腹を見せる心理とは?

こんにちは。

ポメラニアンのモコ(@mocochi1011)です。

犬がひっくり返り、お腹を見せる姿はとても可愛らしいですよね。

犬は様々な場面で人や他の犬にお腹を見せるような行為をしますが、時には周りに誰もいない時でもお腹を上に向けていることもあります。犬がお腹を見せるのにはどのような理由があるのでしょうか?

一般的には服従心と言われてきていましたが、それだけではないようです。

今回は、犬がお腹を見せる理由やその時の心理を解説します。

犬がお腹を見せるのは服従しているから?

お腹を見せるという仕草は、犬にとっては非常に無防備な状態です。

犬は基本的には安心できる場所で、安心できる人の前でしかお腹を見せるような行為はしないと言われています。

ただし、最近の研究では別の研究結果も出てきているようです。

犬がお腹を見せるのは服従のサインではなかった?

愛犬と遊んでいたり、または叱ったりした時に愛犬がお腹を見せる事ってありますよね?

この犬がお腹を見せる姿は「私に信頼を寄せてくれているんだな」とか「反省して服従してくれてるんだね」と嬉しくなる飼い主さんも多いのではないでしょうか?

しかし近年の研究によって、実はこのポーズは服従心を見せているだけではなかったという説も出てきました。

犬がお腹を見せるのは戦闘のサインという説も

では実際には何を表しているのか気になりますよね?

ある研究によると、犬が寝転がってお腹を見せるという行動は、敵から首を噛まれないようにする為の“防御”の意味だったり、場合によっては相手に“攻撃”を仕掛ける前の行動の1つとも取れたとも言うのです。

ただし、この説はまだ研究途中の説ですし、戦闘のサインというのは一般的なサインではないないので、ここからは一般的な理由を解説していきます。

犬がお腹を見せる理由

犬が飼い主さんなどにお腹を見せる理由はたくさんあります。

犬は言葉を話することができないため、身体を動かすボディランゲージでコミュニケーションをとります。

犬がお腹を見せるのもボディランゲージの一つであり、場合によっては犬が相手に何かを伝えようとしている場合があります。

ここでは犬がお腹を見せる理由を紹介していきます。

リラックスしているから

お腹を見せながら寝るのが心地いいと感じ、寝る時や遊ぶ時に仰向けになることがあります。

この場合は犬がリラックスしているということであり、その体勢が好きだということです。

犬は本来眠る時でも仰向けになることはないので、普通に考えれば不自然な格好です。

しかし、慣れた生活空間で危険がないことが分かっているのなら、仰向けになりリラックスすることがあります。

これは家という空間、家族という群れに対して安らぎを感じている証といえるので、仰向けで熟睡しているようなら、極力そっとしておいてあげてください。

服従しているから

犬は服従している時に、相手にお腹を見せることがあります。

これは人に対してではなく、犬同士が遊んでいる状況などで見かけることがよくあるかもしれません。

服従的な犬は支配的な犬や人にお腹を見せることで、喧嘩するつもりはないということを伝えます。

特に、仰向けに寝転がり「視線を合わせない」「耳を後ろに倒す」「しっぽをお腹に巻き込む」といった状態であれば、それは服従や降参のポーズです。

四足歩行の動物にとってお腹は弱点なので、そこを無防備に晒すということは目の前の相手に対して完全に白旗を上げていることになります。

撫でて欲しいから

犬はお腹を撫でられるのが大好きです。

その為犬はお腹を撫でて欲しい時に飼い主の側へ行き、仰向けになることがあります。

飼い主さんの目の前で仰向けになって見つめくる時は、飼い主さんを信用して甘えている状態です。

この時、犬は飼い主さんとのスキンシップを求めて「甘えたい」「撫でてほしい」と思っているので、お腹を撫でてあげるととても喜んでくれます。

ちなみに、お腹を撫でる際、甘噛みをしてくることがありますが、これは嫌がっているわけではなく愛情表現の一種なので心配はいりません。

ただし、噛み癖になると困るので、度が過ぎると感じたら止めさせることも必要です。

背中が痒いから

人間と同じように、犬も背中が痒くなることがあります。

しかし、犬は骨格上前足で背中を掻くことはできません。

そのため、仰向けに寝転がり床に背中をこすりつけて体を動かすことで背中を掻くのです。

涼もうとしているから

犬は暑い夏の日に仰向けになり、涼もうとすることがあります。

犬は人間と違い体表に汗腺がほとんどないため、暑い時はパンティング(舌を出してハァハァすること)し、体温を下げようとします。

しかし、パンディングだけで十分に体温調整ができない場合は、仰向けになることでお腹を冷やし体温を下げようとするのです。

犬のお腹は体の他の部分よりも毛が少なく、風などで涼しむことができます。

また、体を広げてお腹をあげることで、熱がこもるのを防ぐことができるため、他の体勢よりも涼しくなります。

特に暑さに弱い犬種の場合、夏場には熱中症になる危険があるので注意しましょう。

仰向けに寝転がり「ハアハア」と舌を出しながら呼吸していたら、室内の温度を下げたり涼しい場所に移動させるなどして、体を冷やしてあげてください。

同時に、水分補給も忘れずに行いましょう。

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匂いを消そうとしているから

人間の1000倍もの嗅覚を持つといわれる犬にとって、匂いはとても重要です。

そのため、身体に嫌いな匂いが付いた場合、何とかしてその匂いを消そうとして背中を地面に擦りつけることがあります。

例えば、シャンプー後や洋服を着させた時に床をゴロゴロ転がり回る場合は、自分の身体から匂いを消したいと思っている可能性が高いです。

また、逆に自分が好きな匂いを付けるために、仰向けでゴロゴロすることもあります。

人間と犬とでは良いと思う匂いが違うので、飼い主さんが臭いと思う匂いでも犬にとっては良い匂いなの場合もあるのでしょう。

犬がお腹を見せない理由

一方で、お腹を見せたがらない犬もいます。

お腹を見せない場合にはどういった理由があるのでしょうか。

リラックスできていないから

お腹を見せたがらない場合には、まだその環境に慣れていないということが考えられます。

その他、知らない人がいる状況でも、お腹を見せないことがあります。

新しい人がいる場所や、慣れない環境では犬はリラックスすることができません。

そのため、警戒し、無防備な格好である仰向けの体勢になりたがらないかもしれません。

必要が無いと思っているから

お腹を見せる必要がないと思っている場合もあります。

飼い主さんに注目してもらう必要もなく、撫でて欲しいと思わない時はお腹を見せる必要もありません。

寒いから

寒いと感じているときも、仰向けになってお腹を見せません。

寒い時期は小さく丸まることで、体温を逃さないようにしている可能性があります。

仰向けになるようにしつけることも大切

飼い主さんの足の上で仰向けになり身を委ねた状態を「リラックスポジション」と言います。

「リラックスポジション」ができるようになれば、例えば動物病院で診察してもらう時など、抵抗することなく大人しくさせることができます。

犬を仰向けにするためには、どうやって教えていけばよいのでしょうか。

しつける手順①:まずは「伏せ」を覚えさせる

愛犬を仰向けにするためのしつけをするためには、まずは基本姿勢である「お座り」を覚えさせ、それから「伏せ」ができるようにしつけます。

「伏せ」までできるようになれば、第一段階は終了です。

ただし、中には「伏せ」の姿勢になることに抵抗を示す気の強い犬もいるので、習得するのに時間が必要な場合もあるかもしれません。

すぐにできないからといって、足を引っ張ったり上から抑えつけたりなど、無理に「伏せ」の姿勢にするのは絶対にやめましょう。

「伏せ」のしつけ方に関しては下記ページで詳しく解説しています。

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しつける手順②:「伏せ」から「ゴロン」で仰向けに

「伏せ」ができるようになったら、「伏せ」の姿勢から仰向けに寝転がらせる「ゴロン」のしつけをしていきます。

しつけを始める前に、転がっても痛くないようにマットを敷いたり、柔らかい床の上に移動したりするのが良いでしょう。

準備ができたら「伏せ」をさせ、おやつを手にして犬の鼻先に持って行っていきます。

おやつに注目したら、そのまま手を犬の背中の方へ動かしてきましょう。

おやつを追って自然と寝転んだ状態になります。

寝転んだら、すぐに「ゴロン」と声にして、手に持ったおやつを与えて褒めてあげましょう。

そして、軽くお腹を触ります。

「ゴロン」をすると良いことがあると思わせ、繰り返し練習することで「ゴロン」を覚えさせます。

愛犬のペースに合わせて無理なく教えてあげましょう。

まとめ

眠る時も基本的に仰向けにならない犬にとって、お腹を見せる姿には何かしら意味があります。

お腹を見せる理由を知れば、愛犬がどんな気持ちでいるのか、より理解することができるでしょう。

愛犬を仰向けにする必要がある場面もあるので、「ゴロン」ができるようにしつけておきましょう。